日本の信用情報機関はJICC(消費者金融系)・CIC(クレジット系)・KSC(全国銀行協会系)の3つ。3社はCRIN(信用情報交流ネットワーク)で相互連携しており、1社に事故情報が登録されると他社の審査にも影響します。時効援用が成功すると、JICCは情報が削除されることが多く、CICは「完了」表記に切り替わり最大5年間残ります。KSCも同様の取扱いです。
1. 3つの信用情報機関
日本の信用情報機関は、所管業界別に以下の3つに分かれています。
- JICC(日本信用情報機構):消費者金融・保証会社が中心
- CIC(シー・アイ・シー):クレジットカード・信販会社が中心
- KSC(全国銀行個人信用情報センター):銀行・信用金庫・信用保証協会
各機関は独立運営ですが、CRINで相互に延滞・代位弁済・破産情報を共有しています。1社の事故情報が実質的に他2社の審査に影響する構造です。

2. 事故情報の定義
一般に「ブラック」と呼ばれる事故情報は、各機関で次の事由が発生したときに登録されます。
- 返済日より61日以上(または3カ月以上)の支払遅延
- 代位弁済(保証会社が代わりに払った)
- 破産手続開始決定・民事再生開始決定
- 強制解約・債務整理・債権譲渡
「3カ月なら大丈夫」と誤解される方がいますが、62日目で事故登録する会員企業もあります。1日の延滞も甘く見るべきではありません。
3. 登録期間
事故情報の登録期間はおおむね次の通りです。
- JICC:契約継続中および完済日から5年以内
- CIC:契約期間中および契約終了後5年以内
- KSC:契約終了日または完済日から5年(破産・民事再生は決定日から10年以内)
カウント開始は「契約終了日」または「完済日」です。未完済のまま放置している間は期間が走りません。時効援用で契約関係を終了させることが、信用情報回復の起点になります。
4. 時効援用後の信用情報の変化
時効援用が成功し、会員企業(消費者金融・クレジット会社等)が信用情報機関に報告すると、登録が変更されます。実務上の傾向としては:
- JICC:情報そのものが削除されることが多い
- CIC:「完了」表示に切り替わり、異動情報は最大5年残る
- KSC:CICに準じる扱い
「当事務所が信用情報を削除します」と宣伝する士業もいますが、信用情報を書き換える権限は会員企業と信用情報機関にしかありません。注意してください。
5. 誤登録への対処
過去には、大手携帯電話会社が約6万件の誤登録をニュースになったこともあります。登録内容が事実と異なる場合は、信用情報機関に「登録内容調査依頼書」を提出し、会員企業への調査を依頼できます。
誤登録の訂正にも時間はかかりますが、登録内容が事実であればその情報を訂正・削除することはできません。誠実な完済または時効援用により契約終了させて、期間経過を待つのが正攻法です。
この記事に関するよくある質問
Q1. 1回の延滞でもブラックになりますか?
会員企業の基準次第ですが、61日以上の遅延で事故登録が一般的です。62日目から登録する会社もあります。
Q2. 時効援用したら即座に信用情報が消えますか?
JICCは情報削除されやすい一方、CICは「完了」表記に切り替わり最大5年残ります。即消去は保証できません。
Q3. 自分で信用情報を開示できますか?
各機関に開示請求できます。当センターでは委任を受けて代行する場合もありますが、ご自身でスマホ開示するほうが早いケースもあります。
Q4. 「スーパーホワイト」は審査に有利ですか?
情報が何もない状態は、かえって審査で警戒される場合もあります。利用実績の有無が判断材料になるためです。
Q5. 誤登録を発見したら相手企業に直接連絡すべきですか?
信用情報機関への調査依頼書を経由するのが定石です。担当者レベルでは回答が得られないことが多いです。