債権回収会社(サービサー)からの督促状が届いたら、時効援用できる可能性が高いサインです。サービサーは弁護士法の特例で認められた株式会社で全国に80社前後あり、古い債権を譲り受けて督促してきます。絶対にしてはいけないのは「連絡」「一部弁済」「分割申出」。最終取引日から5年経過し、裁判所の書面が届いていなければ援用可能性が高く、電子内容証明で通知書を発送するのが定石です。
1. サービサーとは何か
債権回収会社(サービサー)は、特定金銭債権の回収を業として行うため、弁護士法の特例(債権管理回収業に関する特別措置法)により法務大臣の許可を受けた株式会社です。2024年現在、全国に約80社が登録されています。
サービサーは、消費者金融・クレジット会社・銀行などから不良債権を買い取り、自ら債権者として督促を行います。届いた書面に見慣れない会社名が書かれていても、弁護士法違反ではなく正規の業者です。

2. 主なサービサー一覧
実務で当センターに持ち込まれるサービサー名には次のようなものがあります:アビリオ債権回収、オリンポス債権回収、パルティール債権回収、アイアール債権回収、セゾン債権回収(JPN債権回収)、れいわクレジット管理、ティーアンドエス、ギルド、日本保証、クレディアなど。
これらから「最終通告」「法的手続予告」といった表現の書面が届くことが多く、びっくりして連絡してしまう方が多いのですが、大半のケースで時効援用の対象になります。
3. 債権譲渡と時効の起算点
サービサーからの督促状には「債権譲渡通知」「譲渡日」が記載されていることが一般的です。ここで誤解されがちですが、時効のカウントは譲渡日から始まるわけではありません。元の契約における「最終取引日(最後の弁済日、または弁済期)」が起算点です。
譲渡を受けたサービサーも、元の債権をそのまま引き継いでいるため、時効期間の進行も引き継ぎます。譲渡日から新たに5年を待つ必要はありません。
4. 「法的手段を取ります」への対応
サービサーは督促状でしばしば「法的手段を取ります」と記載してきます。これは脅しではなく、実際に訴訟・支払督促を起こしてくる可能性があります。ただし、時効の要件(最終取引日から5年経過、更新事由なし)を満たしていれば、裁判になっても援用で対抗できます。
急ぎ電子内容証明で援用通知を発送し、裁判に先んじて意思表示を確定させるのが安全策です。裁判所から書面が届いている場合は、行政書士ではなく弁護士または司法書士の領域となります。
5. やってはいけない3つのこと
サービサーから督促が来たとき、以下の3点は絶対に避けてください。
- 電話で連絡する(承認にあたる発言をする危険)
- 一部でも支払う(1,000円の振込でも時効更新)
- 「分割で払います」と書面で申し出る(承認)
正しい対応は、書面を保管し、電子内容証明で時効援用通知書を発送することです。当センターでは一律20,000円(税別)で書類作成から発送まで代行します。
この記事に関するよくある質問
Q1. サービサーから電話が来たらどう対応すべきですか?
原則として出ないでください。出てしまった場合は用件だけ聞き、「書面で送ってください」と伝えて切り、以降は書面対応に徹してください。
Q2. 債権譲渡通知の日付から5年ですか?
違います。時効は元の契約の最終取引日から起算します。譲渡日は起算点になりません。
Q3. 「一括請求を分割にしましょう」と提案されました。応じてよいですか?
応じないでください。分割申出は承認として時効を更新させます。援用の余地が消えます。
Q4. 複数のサービサーから別々に督促が来ています。対応できますか?
対応可能です。債権ごとに通知書を作成し、それぞれ電子内容証明で発送します。
Q5. 受任後もサービサーから電話がかかってきたら?
依頼者様には引き続き出ないようお願いしています。必要に応じて書面で窓口一本化を通知することも可能です。